建物における屋上あるいは、外壁の防水性能は、たとえRC構造といっても永久的なものではなく、常に外の環境の変化にさらされており、時間経過による劣化は避けられません。防水性能の欠落による漏水は居住生活に障害を及ぼすばかりでなく、建物構造体の耐久性にも大きな悪影響を与えます。

漏水を止め防水性能を回復する補修工事は、水の浸入する入口を塞ぐことがいちばん効率的ですが、防水層下または、外壁のひび割れによる漏水経路は、その位置を確認、判断するのが非常に難しく、困難な場合が少なくありません。従って、通常の場合、部分的な欠陥においても完全な機能回復を行なうためには、完全な改修を余儀なくされてしまいます。

漏水調査の実施は、欠損位置、原因を把握し、効率の良い補修を実施する目的で行なわれるものであります。

携帯用ガス検知器

ガス検知器 GH-202F
ガス検知器 GH-202F

建物において発生する漏水原因

  1. 屋上防水の機能低下。(躯体のひび割れの介在)
  2. 外壁(仕上げ材・躯体)のひび割れ。
  3. 窓廻りシーリングの機能低下。

漏水原因に対する調査工程

  1. 対象住戸の天井や開口建具廻り等に発生している漏水箇所の仕上材を撤去し、漏水している箇所を確認する。
  2. 漏水している箇所をビニール養生して、HFC134aガスを0.1気圧程度で封入する。
  3. 封入されたガスを外壁部や屋上等を対象に専用のガス検知器を用いてガスの放出を確認する。
ガス封入法の概念図
ガス封入法の概念図